Electric Night vol.1
<現代電気アート> Electric Night
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しばし美術史をわきにおき、専門用語や慣習的な分類に目をつぶり、アートを分野に分けて考えないようにする。体系に分類することなく具体性をとらえる目をひらけば、そこに映るものがただそのままに見えてくる。
今日のアート作品にそうして向きあうと、なくてはならない素材が厳然としてあることに気づく。電気という素材だ。作品の多くは電気なしには成立しない。作品や考え方を広く流布するインターネットも電気なしには動かない。これほど身近な電気というエネルギーは、19世紀までの絵具や20世紀の写真における感光乳剤と同じくらい、世界のヴィジョンを創り出すことに貢献している。
そうであれば、ヴィデオ・アートやサウンド・アート、デジタル・アートにメディア・アートといった細かい分類にこだわるよりも、もっとおおらかに、ひとまとまりとしてとらえてみたらどうだろう。電気と直接かわるものも、それをシンボリックに想起させるものも、すべてをひとつにまとめれば、「電気アート」という広大な領域があらわれる。
しかしそれを提示する場はどこにあるのか。高崎初の映画館として誕生し、十年有余の閉館をへてリニューアルオープンした「電気館」。それこそまさに、現代電気アートにふさわしい。
新しい息吹、アートの実験、再生可能エネルギーあふれる夕べ――。それがエレクトリック・ナイトなのだ。
(フレデリック・ヴェジェル)
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第1回エレクトリック・ナイトでは、海外アーティスト5人の映像作品とパフォーマンスを紹介しました。
<現代電気アート> Electric Night vol.1
会場: 高崎電気館
住所: 群馬県高崎市柳川町31
日時: 2014/11/16 20:00~21:30
観覧費:無料
【出展アーティスト】
デルフィン・デプレ|Delphine Depres (パフォーマンス)
エンマ・ペロション|Emma Perrochon (映像)
フレデリック・サンチェス|Frederic Sanchz (映像)
エルベ・ブレイエ|Hervé Bréhier (映像)
モリーン・コロマール|Maureen Colomar(映像、パフォーマンス)
共催: パレ・デ・パリ、高崎市地域活性化センター
協力: シネマテークたかさき