おもに風景のドローイングをおこなうモリーン・コロマール(1984~)は、分解した風景の細部を 組みあわせるなどしてドローイングのコード(決まりごと)を解体していきます。そのプロセスは表象にたいして距離をとることであり、何にドローイングをす るのかについても問い直されます。そのため彼女の作品には、紙だけでなく壁やオブジェあるいはデジタル画像など、さまざまな支持体がもちいられています。 ドローイングの手作業/コピーなど機械による作業、紙というよく使われる支持体/壁や窓などそうではない支持体、木炭やコンテなど一般的な画材をもちいたドローイング/電子メディアをつかったドローイングなど、対立する諸要素を重ねあわせることにより、はっきりと境界線を引くことのできないゾーンがつくりだされます。
モリーン・コロマールは修士課程を修了したばかりのブザンソン美術高等学院大学(フランス)により推薦され、パレ・デ・パリで2ヶ月間のアーティスト・イ ン・レジデンスをおこなうために来日しました。パレ・デ・パリでのレジデンスをとおしてモリーン・コロマールは、群馬県立館林美術館で開催されている「ダ イアローグ―対話するアート」に特別出品作家として出展しています。「ダイアローグ―対話するアート」は2015年4月5日までご覧になれます。レジデン ス中には高崎電気館でおこなわれたエレクトリックナイトvol.1にも参加しました。
landscapeは、日本でのレジデンスのしめくくりとしてモリーン・コロマールがパレ・デ・パリでおこなう実験的な展示です。


モリーン・コロマール:
http://maureencolomar.com/


 

palais des paris